肝内胆管癌再発による十二指腸狭窄に対する内視鏡下covered stent留置術

林部　章, 澤田　隆吾, 田中　肇, 鬼頭　秀樹, 阪本　一次, 樽谷　英二, 柳　善佑, 十倉　寛治, 浅田　健蔵, 竹林　淳

和泉市立病院外科

　症例は71歳の男性で，平成6年8月17日肝内胆管癌に対して拡大肝左葉切除術を施行し，術後外来にてfollow upしていたが，平成8年7月29日早朝より大量に吐血し，当科外来を受診した．腹部CT，超音波検査にて肝切離断端に腫瘍を認め，肝内胆管癌術後再発が疑われた．同腫瘍は十二指腸に浸潤しており，上部消化管内視鏡検査でも十二指腸球部に腫瘍の露出を認め，生検にて再発を確定しえた．肝動脈造影で残肝に広範囲なtumor stainを認め，根治的切除は不可能と判断した．腫瘍により十二指腸は著明に狭窄し，経口摂取は困難であった．全身化学療法および放射線治療の後，内視鏡を用いて病変部にcovered stentを留置したところ，普通食の摂取が可能となり，患者のQOLは著しく改善された．約6か月後に癌死する直前まで，十分な経口摂取が可能であった．

索引用語
self-expandable metallic stent, duodenum

別刷請求先
林部　章　〒594-0071　和泉市府中町4-10-10　和泉市立病院外科

受理年月日
1998年3月11日

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