臨床経験
肝硬変合併胃癌術後難治性腹水に対する腹腔―鎖骨下静脈シャント術の経験
柚木 靖弘, 竹内 仁司, 大島 祐, 安井 義政, 田中屋 宏爾, 小長 英二
国立岩国病院外科
肝硬変を合併した胃癌術後に生じた難治性腹水に対してDenver® Ascites Shunt System(Percutaneous Access Kit)を用いた腹腔―鎖骨下静脈シャント術が有効であった1例を経験した.本法により腹水の著明な減少が得られ,術後25日目には独歩での退院が可能となった.
本法は従来の腹腔一内頸静脈シャント術に比ベカテーテルの走行が直線化されることにより術後のシャント不全が防止できるだけではなく,経皮的穿刺法により手術手技が簡便化されており,手術時間が短縮される点からも優れた方法と考えられる.
索引用語
liver cirrhosis, peritoneo-subclavian shunt, intractable ascites
日消外会誌 31: 1921-1924, 1998
別刷請求先
柚木 靖弘 〒740-0041 岩国市黒磯町2-5-1 国立岩国病院外科
受理年月日
1998年4月22日
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