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第31巻 第9号 1998年9月 [目次] [全文 ( PDF 360KB)]
症例報告

Double rupture phenomenonを呈した脾動脈瘤破裂の1例

河合 雅彦, 佐野 文, 山田 慎, 加藤 元久, 梅本 敬夫, 深田 代造, 佐治 重豊, 下川 邦泰

岐阜大学第2外科, 同 中央検査部病理

 脾動脈瘤破裂は今日でも時期を逸すると死に至る重篤な疾患である.今回,我々はdouble rupture phenomenonを来したと考えられる1例を経験したので報告する.症例は38歳の男性で上腹部痛・嘔吐にて発症し,急性胃腸炎として入院治療中CT検査にて網嚢内血腫と思われる高吸収域の腫瘤像を認め,脾動脈瘤破裂が疑われた.手術待機中にdouble ruptureを来し緊急開腹し,動脈瘤とともに脾臓を摘出し救命しえた.脾動脈瘤破裂は左上腹部痛で発症するが,網嚢内の凝血塊により一時的止血効果を示した後,腹腔内に破裂することがある.この場合はdouble rupture phenomenonと呼ばれるが,second ruptureを起こす前に診断し手術することが肝要である.

索引用語
splenic artery aneurysm, double rupture phenomenon

日消外会誌 31: 2016-2019, 1998

別刷請求先
河合 雅彦 〒500-8076 岐阜市司町40 岐阜大学医学部第2外科

受理年月日
1998年5月19日

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