臨床経験
左気管支環状合併切除を行った胸部食道癌の1例とその手術手技の検討
財間 正純, 光吉 明, 藤村 直幸
三菱京都病院外科
左主気管支の内腔まで浸潤の及んだ進行胸部食道癌に対し,左主気管支の環状合併切除を伴う手術を施行した.症例はImの2型進行癌を持つ76歳の男性で,術前気管支内視鏡で左主気管支内腔に腫瘍浸潤を認めた.手術は右開胸で行い胸部食道全摘および約3 cmの左主気管支を環状に切除.分離肺換気および術野挿管にて酸素化後,high frequency jet ventilation(以下,HFJV)加換気停止下に気道再建を行った.消化管は後縦隔経路で大網を付けた胃管を挙上し頸部で吻合し,後縦隔内に大網を充填した.食道癌手術での気管支合併切除時における換気停止下の気管支再建および後縦隔経路の大網付き胃管挙上法は簡便かつ有効な方法と考えられる.
索引用語
esophaeal cancer, resection and reconstruction of bronchus
日消外会誌 31: 2024-2027, 1998
別刷請求先
財間 正純 〒615-8087 京都市西京区桂御所町1 三菱京都病院外科
受理年月日
1998年4月22日
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