スキルス胃癌に対する左上腹内臓全摘術の意義

古河　洋, 平塚　正弘

大阪府立成人病センター外科

　目的：スキルス胃癌に対して左上腹内臓全摘＋Appleby手術（LUAE＋Apl）や抗癌剤腹腔内投与等の併用療法を行った．これらの試みの結果を従来の方法と比較する．対象・方法：スキルス胃癌手術例を年代別にI期（1973～1978年，36例）：胃全摘・膵脾合併切除（T＋PS），II期（1978～1983年，44例）T＋PS，＋MMC＋5-FU（MF），III期（1983～1986年，28例）：LUAE＋Apl，＋MF，IV期（1987～1991年，26例）：LUAE＋MMCipに分けて比較した．結果：I，II期間とIII，IV期間に生存率の差はなかった．I＋II期 vs III＋IV期では旧stage IIIにおいてIII＋IV期（5生率42％，I＋II期19％）が有意に良好であった．まとめ：スキルス胃癌の治療として，LUAEは旧stage IIIに有効であつたが，併用療法は有効でなく，stage IVでは有効なものはなかった．

索引用語
scirrhous gastric cancer, left upper abdominal exenteration, Appleby's operation

別刷請求先
古河　洋　〒537-0025　大阪市東成区中道1-3-3　大阪府立成人病センター外科

受理年月日
1998年7月22日

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