特集
胃癌における脈管侵襲の臨床的意義と補助化学療法の適応
馬場 秀夫, 大城 辰雄, 武冨 紹信, 中島 秀彰, 鴻江 俊治, 瀬尾 洋介
国立病院九州がんセンター消化器部外科
切除胃癌2,146例を対象とし,臨床病理学的諸因子,再発,予後と脈管侵襲の関連および脈管侵襲陽性例における術後補助化学療法による再発予防効果について検討した.脈管侵襲の有無は腫瘍径,INF,深達度,リンパ節転移,腹膜播種や肝転移と相関し,術後遠隔成績の予測因子になりうると考えられた.静脈侵襲陽性例では非化療群に比較し,化療群の再発率が有意に低かった.脈管侵襲の術前予測因子としては腫瘍径が大きく,深達度が深く,C領域の症例であり,このような症例に対しては十分なリンパ節郭清を行い,術後病理組織学的に脈管侵襲が認められた症例では,補助化学療法が再発防止のため有用であると考えられた.
索引用語
gastric cancer, lymphovascular invasion, recurrence
日消外会誌 31: 2176-2180, 1998
別刷請求先
馬場 秀夫 〒811-1347 福岡市南区野多目3-1-1 国立病院九州がんセンター消化器部外科
受理年月日
1998年7月22日
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