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第32巻 第1号 1999年1月 [目次] [全文 ( PDF 472KB)]
症例報告

Crohn病手術後早期に発症した難治性瘻孔の3例

福島 恒男, 鬼頭 文彦, 小尾 芳郎, 松尾 恵五, 菊池 光伸, 小金井 一隆, 篠崎 大, 木村 英明, 藤井 正一

横浜市民病院外科

 Crohn病腸手術156例中3例(1.9%)においては術後早期に再発,遺残病変がないにもかかわらず,吻合部を中心に縫合不全による瘻孔を繰り返した.症例は男性2例,女性1例,Crohn病の平均発症年齢19歳で,術後に瘻孔を平均4.7回(4,5,5回)合併し,それぞれ3回の再手術を要したが,1例は治癒し,1例は未治癒,1例は死亡した.
 3例とも術前の経過,全身状態,検査結果に特記すべきことはなく,腸の創傷治癒機転の障害が認められた.このような例はまれではあるが,原因はCrohn病そのものにあるのか,他に原因があるか不明である.この原因が解明されれば,手術はより安全になると期待される.

索引用語
Chorn's disease, early fistula

日消外会誌 32: 55-59, 1999

別刷請求先
福島 恒男 〒240-8555 横浜市保土ケ谷区岡沢町56 横浜市立市民病院外科

受理年月日
1998年10月14日

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