症例報告
S状結腸癌を先進部として肛門より脱出した成人腸重積の1治験例
尾形 敏郎, 横田 徹, 六本木 隆, 菅野 圭一, 藤井 孝尚, 大和田 進*, 森下 靖雄*
国立沼田病院外科, 群馬大学第2外科*
症例は腹痛,血便,肛門より脱出する腫瘤を主訴とした75歳の女性で,腫瘤先端の生検の結果は腺癌であった.また骨盤computed tomography(CT)でS状結腸下部から直腸にかけて3層の同心円状に腫大した腸管を認めた.以上よりS状結腸癌を先進部として肛門より脱出した腸重積と診断してHartmann手術を施行し,良好な結果を得た.成人のS状結腸の腸重積はまれであり,先進部が肛門より脱出したものの報告はさらに少ない.自験例ではCTで特徴的な所見が得られ,術前に確定診断が可能であった.
索引用語
colo-rectal intussuception, sigmoid colon cancer
別刷請求先
尾形 敏郎 〒371-8513 前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部第2外科
受理年月日
1998年10月14日
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