卒後教育セミナー
胆道癌取扱いの改正について―胆管癌
永川 宅和
金沢大学医学部保健学科
1981年に本邦における胆道癌取扱い規約が発刊されて15年以上を経過し,その間2回の小改訂が行われてきた.さらに,この度の改訂は,胆道癌登録事業による症例の集積と,胃癌,膵癌の取扱い規約の改訂にともなって,大幅なものとなった.こうして,第4版が昨年10月に発刊された. 今回の主な改正点は(1)胆管癌の分類のうち肝門部胆管癌の設定,(2)漿膜浸潤におけるSxの設定,(3)リンパ節(群)分類の変更,(4)腫瘍の肉眼的形態分類の名称の変更,(5)胆管周囲進展度(T, t)の設定と手術的,総合的進行度分類の設定,(6)切除縁における肉眼的,組織学的癌浸潤表現の変更,(7)切除術の根治度の評価の設定,(8)病理組織学的分類の変更と壁深達度におけるafの廃止などである. 本稿では,胆管癌についてその主な改訂点をとりあげ,いまだ残されている問題点についても解説を加えた.
索引用語
General Rules for Surgical and Pathological Studies on Cancer of the Biliary Tract, portal (hilar) bile duct cancer, T or t-category
別刷請求先
永川 宅和 〒920-8641 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部保健学科
受理年月日
1998年11月13日
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