症例報告
孤立性臍部皮膚転移を認めた胃癌の1例
高田 譲二, 斎藤 正信, 三澤 一仁, 真鍋 邦彦, 秦 温信, 佐野 文男
札幌社会保険総合病院外科
胃癌根治手術後4か月後に臍部にいわゆるSister Mary Joseph's noduleとして再発し,再切除後1年6か月後の現在,無再発生存中の1例を経験したので報告する.症例は65歳の女性.胃癌はBorrmann III, P0, H0, M(-),mucinous carcinoma, se, ly3, v1, n1(+),ow(-),aw(-),stage IIIaであった.外来通院中に臍部からの浸出液と腫瘤を触れて来院した.精査の結果臍部皮膚転移の診断にて,腫瘍から1cm離れて腹壁切除した.腫瘍は原発巣と同じmucinous carcinomaであり再発転移であった.転移再発の機序として,術中操作による腫瘍細胞の臍部へのimplantationが最も可能性が高いと考えられた.
索引用語
umbilical metastasis, gastric cancer
別刷請求先
高田 譲二 〒004-8618 札幌市厚別区厚別中央2条6丁目2-1 札幌社会保険総合病院外科
受理年月日
1998年11月13日
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