臨床経験
逆流性食道炎に対する腹腔鏡下Toupet噴門形成術の初期治療成績
小村 伸朗, 柏木 秀幸, 渡辺 正光, 金 哲宇 森永 泰良1), 青木 照明
東京慈恵会医科大学外科, 医療法人社団エターナルウッド会森永胃腸科外科1)
逆流性食道炎9症例に対して腹腔鏡下Toupet噴門形成術を施行し,逆流防止効果と愁訴に関して検討した.症例の平均観察期間は6か月(2か月~11か月)であった.術前,全症例で滑脱型食道裂孔ヘルニアを認めたが,術後には修復された.また,食道炎も全例で治癒し,瘢痕となった.術前の食道内酸曝露時間(pH<4 holding time)は平均27.1±25.0%(5.8%~84.1%)であったが術後には平均1.8±2.7%(0%~7.9%)まで低下した.術前の胃食道逆流に由来する症状は術後にはすべて消失した.また,術後の嚥下困難やつかえ感は1か月以内にほぼ改善した.逆流防止効果ならびに愁訴の観点から,非全周型噴門形成術であるToupet法の初期治療成績は良好であると考えられた.
索引用語
reflux esophagitis, Toupet partial fundoplication, laparoscopic surgery
別刷請求先
小村 伸朗 〒105-8471 東京都港区西新橋3-19-18 東京慈恵会医科大学外科
受理年月日
1998年11月13日
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