臨床経験
先天性胆道拡張症術後症例におけるspiral CTを用いた胆道造影の有用性
小高 明雄, 藤岡 正志, 石田 秀行, 多田 真和, 猪熊 滋久, 高田 伸, 山田 博文, 下村 一之, 村田 宣夫, 出月 康夫
埼玉医科大学総合医療センター外科
近年,経静脈性胆道造影(drip infusion cholangiography)併用下のspiral computed tomography(以下,DIC-SCT)が,胆道系疾患の新しい非侵襲検査として普及した.そこで今回,先天性胆道拡張症術後症例におけるDIC-SCTの有用性について検討を行った. 先天性胆道拡張症の診断で,以前に胆嚢・拡張胆管切除,肝管腸吻合術を施行した7例を対象にDIC-SCTを行った.手術時の年齢は,4か月~40歳2か月で,術後の経過観察期間は,1年6か月~10年7か月であった. 全例において,肝内胆管1次分枝,吻合部,および吻合部以下の腸管が描出され,吻合部の横径は4mm~25mm,前後径は3mm~20mmと測定できた.IV-A型の1例では,右枝に拡張を認め,左枝は描出されなかった. DIC-SCTは,先天性胆道拡張症術後症例における吻合部の形態や胆汁うっ滞の有無を簡便に知る方法として優れていた.
索引用語
congenital biliary dilatation, spiral computed tomography, drip infusion cholangiography
別刷請求先
小高 明雄 〒350-8550 川越市鴨田辻道町1981 埼玉医科大学総合医療センター外科
受理年月日
1998年11月13日
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