症例報告
血液疾患を合併した胃癌に対し幽門側胃切除,D2郭清に脾摘を併置した2例
重松 久之, 栗田 啓, 小笠原 豊, 久保 義郎, 高嶋 成光, 佐藤 幸雄*
国立病院四国がんセンター外科, 広島大学原爆放射能医学研究所腫瘍外科*
脾摘が適応となる血液疾患を合併した胃癌に対して,幽門側胃切除,D2郭清に脾摘を併置した2例を経験した.症例1は72歳の女性,特発性血小板減少性紫斑病と胃体部から幽門部にかけての胃癌(3'T3N1M0),症例2は62歳の男性,遺伝性球状赤血球症および胆嚢・総胆管・肝内結石と胃癌(0'-IIC T1N0M0)の合併例である.両症例とも,左胃動脈は根部で結紮切離し,後胃動脈・短胃動脈の血流を温存して幽門側胃切除,D2郭清に脾摘を併置した.残胃の壊死や縫合不全などの合併症もなく良好な経過をたどった.
索引用語
gastric cancer, hemorrhagic disorders, splenectomy
日消外会誌 32: 1012-1016, 1999
別刷請求先
重松 久之 〒790-0007 松山市堀之内13 国立病院四国がんセンター外科
受理年月日
1998年12月9日
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