症例報告
閉塞性大腸炎を合併した成人Hirschsprung病の1症例
小澤 広太郎, 山本 哲久, 柳生 利彦, 上野 秀樹, 木下 学, 市倉 隆, 望月 英隆
防衛医科大学校第1外科
症例は28歳の女性.乳児期より便秘,腹部膨満を繰り返すものの,数回の入院のみで保存的に経過していた.平成9年10月,腹部膨満,嘔吐を主訴に近医入院し,注腸にて巨大結腸を指摘され,精査目的にて当科に紹介され入院となった.注腸造影所見では直腸の狭小と,部分的な分節状の狭窄を伴うS状結腸の拡張,さらに,口側結腸の拡張とを認めた.大腸内視鏡検査では,直腸の狭小化とS状結腸の拡張,また,その口側の狭小化と同部位に境界明瞭な地図状潰瘍を認めた.直腸狭小部と地図状潰瘍との間には正常粘膜が介在していた.直腸狭小部の生検では神経節細胞は認められず,アセチルコリンエステラーゼ染色にてAchE陽性の太い神経線維の増生を認めた.以上より,閉塞性大腸炎を合併した成人Hirschsprung病と考えられた.本症例は,中心静脈栄養管理,下剤,浣腸にて腹痛・腹部膨満などの症状が軽快し現在は下剤を投与しながら厳重に経過観察中である.
索引用語
adult Hirschsprung's disease, acetylcholine esterase staining, obstructive colitis
日消外会誌 32: 1037-1041, 1999
別刷請求先
小澤 広太郎 〒359-8513 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第1外科
受理年月日
1998年12月9日
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