特集
進行,肝機能不良肝細胞癌に対するマイクロウェーブ凝固壊死療法の治療成績
長堀 薫, 田中 邦哉, 郷 克己, 遠藤 格, 関戸 仁, 渡会 伸治, 嶋田 紘
横浜市立大学第2外科
進行,または肝機能不良肝細胞癌32例にマイクロウェーブ凝固壊死療法(MCT)を行い,その意義を検討した.非切除の理由は肝予備能不良14例,過量肝切除となるもの15例,腎不全2例,高齢1例であった.臨床病期はI, II, IIIが2例,16例,14例,StageはI, II, III, IV-Aが2例,6例,8例,16例,平均腫瘍径は3.2cm,平均焼灼腫瘍数は2.5個であった.原発例が13例,再発例が19例であった.経皮経肝的23例(経皮群)開腹下に9例(開腹群)行った.1年と3年累積生存率は46.5%と37.2%,臨床病期,Stage間で有意差はなく,腫瘍径3cm以下,腫瘍個数2個以下,異時性多中心性発癌例は生存率が良好であった(p<0.05).術死,在院死や出血,膿瘍はなかった.食事の開始時期は経皮群で有意に早期であった.MCTは高度肝硬変例でも重篤な合併症なく安全に施行しえ経皮的施行法では高い術後QOLを維持できた.治療効果の良好例は腫瘍径3cm以下,腫瘍個数2個以下であった.
索引用語
microwave coagulation therapy, hepatocellular carcinoma, severe liver dysfunction
日消外会誌 32: 1070-1074, 1999
別刷請求先
長堀 薫 〒232-0024 横浜市南区浦舟町3-46 横浜市立大学浦舟病院第2外科
受理年月日
1999年1月27日
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