原著
経皮経肝的門脈塞栓術(PTPE)後の非塞栓葉の機能的変化に関する検討
鈴木 修司, 吉川 達也, 新井田達雄, 吾妻 司, 大坪 毅人, 木暮 道夫, 本橋 洋一, 高崎 健
東京女子医科大学消化器外科
我々は1990年以来胆道癌手術の適応拡大,安全性向上のため経皮経肝的門脈塞栓術(PTPE)を導入してきた.PTPE前後の形態的,機能的変化についてPTPEを施行した胆嚢癌3例,胆管癌3例を対象に検討した.形態的肝再生はCTによる体積変化を検討し機能的肝再生はプレアルブミン,レチノール結合蛋白,トランスフェリン,過酸化脂質,酸素飽和度,アンモニア,エンドトキシンの各項目をPTPE前後において左右肝静脈,門脈血中より採取し塞栓葉,非塞栓葉に分け検討した.非塞栓葉はPTPEにより27.8±5.2%の増大を示し,rapid turnover proteinの変化は明らかでなかった.しかし,非塞栓葉にて若干アンモニアは増加し,エンドトキシンは減少した.エンドトキシンは残肝増大率と強い負の相関を示した.以上よりPTPE後の非塞栓葉において肝網内系の機能が亢進することが示唆された.
索引用語
preoperative percutaneous transhepatic portal embolization, biliary tract carcinoma, ammonia, endotoxin, reticuloendothelium system of liver
日消外会誌 32: 1173-1178, 1999
別刷請求先
鈴木 修司 〒192-0904 東京都八王子市子安3-18-1 八王子消化器病院
受理年月日
1999年1月27日
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