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第32巻 第7号 1999年7月 [目次] [全文 ( PDF 66KB)]
原著

胃癌におけるthymidylate synthase活性およびdihydropyrimidine dehydrogenase活性の測定による5-fluorouracilの効果予測に関する検討

入野田 崇, 寺島 雅典, 川村 英伸, 高金 明典

岩手医科大学医学部外科学第1講座

 腫瘍組織の酵素活性から5-fluorouracil(5-FU)の治療効果を予測する事を目的に,胃癌におけるthymidylate synthase(TS)活性及びdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)活性を測定し,5-FUの感受性との関連について検討した.胃癌細胞株8株,ヌードマウス可移植ヒト胃癌株4株,および胃癌臨床検体40検体を対象とした.TS活性を[3H]-FdUMP binding assayにて,DPD活性を薄層クロマトグラフィー法にて測定した.5-FUの感受性は細胞株ではMTT法により,臨床検体では無血清培養によるATP法により判定した.胃癌細胞株とヌードマウス可移植ヒト腫瘍では,5-FUに対する感受性はTS活性とDPD活性の両者に相関していた.臨床検体では,5-FUに対する感受性とDPD活性との間に有意な相関を認めた.胃癌において腫瘍組織のTS活性,DPD活性を測定することにより5-FUの抗腫瘍効果を予瀬出来る可能性が示唆された.

索引用語
5-fluorouracil, thymidylate synthase, dihydropyrimidine dehydrogenase, gastric cancer, drug sensitivity

日消外会誌 32: 1955-1961, 1999

別刷請求先
入野田 崇 〒020-8505 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学医学部第1外科

受理年月日
1999年2月24日

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