原著
第2群リンパ節転移陽性胃癌における転移リンパ節個数および総肝動脈幹リンパ節転移の予後因子としての意義
柴崎 信一, 木田 晴海, 新海 清人, 久野 博, 矢野 洋, 能村 正仁
国立嬉野病院外科
治癒切除となった第2群リンパ節転移陽性(n2)胃癌41例を対象として,第2群リンパ節転移個数,No. 8a転移の予後因子としての意義を臨床病理学的に検討した.(1)n2例全体におけるn2個数別の5生率は1~2個で36.6%,3個以上で27.8%であり,転移個数別の予後の差は認めなかった.t因子別の5生率はt1+t2群で54.3%,t3+t4群で12.2%と漿膜侵襲陰性例で生存率が高かった.No. 8a転移の有無による生存率の差は認めなかった.(2)t1+t2群においてn2個数別の5生率は1~2個で67.3%,3個以上で20.0%あり,No. 8a転移陰性例の生存率が高かった.t3+t4群においてはn2個数,No. 8a転移の有無による予後の差は認めなかった.以上,n2例全体においては深達度が最も予後を反映し,漿膜侵襲陰性例に限った場合,n2個数,No. 8a転移の有無が予後規定因子となると考えられた.
索引用語
n2 gastric cancer, number of positive second regional lymph nodes, metastasis to lymph node along the common hepatic artery, prognostic factor
日消外会誌 32: 1962-1968, 1999
別刷請求先
柴崎 信一 〒843-0393 佐賀県藤津郡嬉野町大字下宿丙2436 国立嬉野病院外科
受理年月日
1999年2月24日
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