症例報告
腹腔内出血にて発症した胃平滑筋肉腫の1例
大城 望史, 板本 敏行, 角舎 学行, 札場 保宏, 宮本 和明, 石川 哲大, 田中 一誠, 山本 泰次, 大城 久司
県立広島病院一般外科
胃平滑筋肉腫は胃悪性腫瘍の0.5~2%を占めるが,一般に腹痛,消化管出血,腹部腫瘤などで発見されることが多く,腹腔内出血を来した症例はまれである.我々は極めて腫瘍径の小さい平滑筋肉腫破裂の若年者症例を経験したので報告する.症例は25歳の男性.起床時,突然の心窩部痛にて発症し,急性汎発性腹膜炎の診断で入院した.腹部CT,消化管内視鏡,超音波内視鏡などで腹腔内出血を伴う,約8cmの胃平滑筋肉腫と診断し,開腹術を施行した.腹腔内には約600mlの出血を認め,胃前庭部の腫瘤のほとんどが血腫であり,腫瘍は2.3×2.0cmであった.病理組織学的には,低悪性度平滑筋肉腫であり腫瘍径も小さく,4年6か月経過した現在も再発の兆しはない.
索引用語
gastric leiomyosarcoma, intraabdominal hemorrhage
日消外会誌 32: 1995-1999, 1999
別刷請求先
大城 望史 〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 広島大学第2外科
受理年月日
1999年2月24日
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