回腸gastrointestinal autonomic nerve tumorの1例

高塚　純, 石井　貴士, 張　澤安^＊, 土屋　勝, 肥後　平一郎, 若松　茂樹, 島田　長人, 柴　忠明, 秋間　道夫^＊

東邦大学第2外科, 同　第1病理^＊

　Gastrointestinal autonomic nerve（GAN）tumorsはPlexosarcomaとも呼ばれ消化管間葉系腫瘍に属するまれな腫瘍である．我々は免疫組織化学および電顕病理学的検索で小腸GAN tumorと診断した症例を経験したので報告する．症例は46歳の女性で，腹痛と体重減少を主訴に受診した．超音波検査，CT検査で回腸に充実性腫瘍を認め，上腸間膜動脈造影で回腸動脈分岐に腫瘍濃染像を確認し回腸腫瘍と診断し回盲部切除を施行した．免疫組織学的にvimentin, neuron specific enolase, synaptophysin, S-100蛋白，neurofilamentが陽性で電顕的に神経分泌顆粒の存在と未発達の細胞間接合部などが認められGAN tumorと診断した．GAN tumorの報告はこれまで4例あるが回腸GAN tumorの報告は，我々が検索しえた限りでは自験例が最初である．

索引用語
gastrointestinal autonomic nerve tumor, plexosarcoma, ileum

別刷請求先
高塚　純　〒143-8541　東京都大田区大森西6-11-1　東邦大学医学部第2外科

受理年月日
1999年1月27日

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