敗血症を伴い劇症化したS状結腸癌による閉塞性大腸炎の1例

石橋　理香, 蒲池　正浩, 黒肱　敏彦, 小林　慶太, 山下　裕一^＊, 白日　高歩^＊

新古賀病院外科, 福岡大学第2外科^＊

　閉塞性大腸炎はイレウス症状を伴った大腸癌に合併する症状で，時に劇症化し予後不良となることがある．今回，劇症化した閉塞性大腸炎の1例を経験したので報告する．
　症例は60歳の女性．腹痛にて来院．来院後，約6時間でショック状態となり腸閉塞に起因する敗血症と診断し緊急手術を施行．S状結腸癌による閉塞性大腸炎と診断し，左半結腸切除術を施行した．術後にエンドトキシン血症，急性腎不全を合併し，エンドトキシン吸着療法（PMX）と持続血液浄化療法（CHDF）を含めた集中治療を行い救命しえた．

索引用語
obstructive colitis associated with colon cancer, septic shock, endotoxin adsorption

別刷請求先
石橋　理香　〒814-0180　福岡市城南区七隈7-45-1　福岡大学医学部第2外科

受理年月日
1999年3月31日

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