原著
胃癌における胃全摘・膵脾合併切除例のNo. 10,11リンパ節転移状況からみた至適術式について
山並 秀章, 藤谷 恒明, 大内 清昭
宮城県立がんセンター外科
胃全摘・膵脾合併切除(PS)施行の進行胃癌130例について臨床病理学的諸因子とNo. 10,11リンパ節転移との関連を検討した.No. 10リンパ節転移率は主占居部位,肉眼型,組織型,性別,P因子で有意差が得られ,ロジスティック回帰分析ではこのうち組織型を除く4因子が独立した影響因子として選択された.No. 11リンパ節転移率はP因子以外に関連する因子はなく,多変量解析でも同様の結果だった.よって,肉眼的漿膜浸潤陽性例のうち(1)大弯,前壁の占居部位,(2)1型,4型の肉眼型,(3)女性,のいずれかを示す症例はPSの適応と考えられた.一方,これ以外の進行癌症例では膵温存脾動脈幹リンパ節郭清を選択してよいと考える.
索引用語
gastric carcinoma, lymphnode metastasis at the splenic hilum and along the splenic artery for gastric carcinoma, total gastrectomy with distal pancreatectomy, logistic regression analysis for gastric carcinoma
日消外会誌 32: 2214-2218, 1999
別刷請求先
山並 秀章 〒981-1293 名取市愛島塩手字野田山47-1 宮城県立がんセンター外科
受理年月日
1999年4月28日
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