症例報告
腫瘍径12mmで異時性肝転移をきたした直腸カルチノイドの1切除例
伊神 剛, 長谷川 洋, 小木曽 清二, 塩見 正哉, 籾山 正人, 太平 周作, 高橋 祐, 雨宮 剛, 上原 圭介, 宮崎 晋
名古屋第二赤十字病院外科
症例は52歳の男性で,便潜血陽性を契機に精査でRsに発生した直腸カルチノイドと診断し経仙骨的腫瘍摘出術を施行した.摘出した標本は腫瘍径12×10mm,壁深達度smの直腸カルチノイドであった.術後経過は良好であったが,約3年後に肝外側区域に腫瘍を認め,精査で肝転移と診断し肝外側区域切除術を施行した.摘出標本は腫瘍径35×30mmのカルチノイドで前回の組織学的所見と同様の腫瘍であった. 本邦における腫瘍径20mm未満かつ筋層非浸潤の直腸カルチノイドの肝転移例は,自験例を含めて6例ときわめてまれで,異時性の肝転移は自験例のみであり,若干の文献的考察を含めて報告する.
索引用語
rectal carcinoid tumor, liver metastasis
日消外会誌 32: 2283-2286, 1999
別刷請求先
伊神 剛 〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第二赤十字病院外科
受理年月日
1999年3月31日
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