症例報告
再々切除を施行した異時性直腸カルチノイド肝転移の1例
夏目 俊之, 岡住 慎一, 高山 亘, 竹田 明彦, 岩崎 好太郎, 笹川 真一, 趙 明浩, 小林 進, 浅野 武秀, 落合 武徳
千葉大学第2外科
61歳の男性.近医にて直腸カルチノイドに対しポリペクトミーおよび経肛門的切除施行9年後のUSにて肝右葉に腫瘤を指摘され当科を紹介された.USおよびCTにて肝S5に約10cm,S7に約5cmの腫瘤を認め,直腸カルチノイド肝転移または肝嚢胞腺癌の診断で肝右葉切除を施行した.摘出標本はいずれもカルチノイドの診断であった.術後6か月目のUSおよびCTで肝S2に約2cm,S4に約5cmの腫瘤を認めた.血中5HIAAは上昇し,カルチノイド肝転移再発と診断し,核出術を施行した.切除標本ではS2の腫瘍はカルチノイド,S4はbilomaであった.直腸カルチノイド肝転移に対し2度の肝切除を施行し,現在術後2年3か月,無再発生存中である.本邦報告202例の検討を加え報告する.
索引用語
rectal carcinoid, liver metastasis, hepatectomy
日消外会誌 32: 2287-2291, 1999
別刷請求先
夏目 俊之 〒260-8670 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学第2外科
受理年月日
1999年3月31日
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