臨床経験
胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下胃手術
安田 健司, 梅澤 昭子, 徳村 弘実, 今岡 洋一, 大内 明夫, 山本 協二, 松代 隆
東北労災病院外科
我々の経験した9例の胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下手術について,その手技と手術成績を検討したので報告する.9例の内訳は男性4例,女性5例,年齢は46歳から79歳であった.発育形式は胃内型6例,胃外型2例,胃内外型1例で,腫瘍径は22~40mmであった.7例に腹腔鏡下胃局所切除,2例に胃内手術を施行した.平均手術時間は103分,平均術後在院期間は10日であった.合併症は認めなかった.組織診断は胃平滑筋肉腫が8例,神経鞘腫が1例であった.一般に悪性の胃粘膜下腫瘍は平滑筋肉腫がほとんどで,そのリンパ節転移はまれである.したがって,胃局所切除は胃粘膜下腫瘍に対する十分な術式と考えられる. 胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下胃手術は,低侵襲性,美容的外観など利点が多く得られる.腫瘍径,局在,発育形式によって胃局所切除あるいは胃内手術を選択し,積極的に適応すべき手技と考えられた.
索引用語
gastric submucosal tumor, laparoscopic gastric surgery, leiomyosarcoma of the stomach
日消外会誌 32: 2404-2408, 1999
別刷請求先
梅澤 昭子 〒981-8163 仙台市青葉区台原4-3-21 東北労災病院外科
受理年月日
1999年4月28日
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