特集
膵頭部癌に対する拡大郭清膵切除術の評価
萱原 正都, 永川 宅和*, 安居 利晃, 北川 裕久, 太田 哲生, 藤村 隆, 西村 元一, 三輪 晃一
金沢大学第2外科, 同 保健学科*
膵頭部膵管癌78例を対象に進局様式,遠隔成績,再発様式,quality of life(QOL)などを検討し,拡大郭清膵切除術の評価をおこなった.リンパ節転移は77%の症例にみられ郭清の際に問題となるNo. 14,No. 16リンパ節転移率はそれぞれ31%,18%であった.また,胃周囲リンパ節転移率は3.8%であった.転移陰性例の5年生存率は43%と良好であったが,n2以上の症例では最長生存期間は3年であった.膵周囲剥離面の癌遺残のないew0の5年生存率は36%であったが,癌遺残例では3年生存例はなかった.長期生存例での体重減少やコレステロール値の低下がみられたが,血清アルブミン値の変動はなかった.上痢剤の投与が半数例になされたがperformace statusはほぼ満足のいくものであった.以上より,拡大郭清膵切除は膵癌治療成績向上に必要な術式と考えられた.
索引用語
nodal involvement of pancreatic cancer, negative surgical margin, extended radical pancreatectomy
日消外会誌 32: 2409-2413, 1999
別刷請求先
萱原 正都 〒920-8641 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1999年7月28日
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