特集
浸潤性膵管癌に対するPpPDとconventional PD
小菅 智男, 島田 和明, 山本 順司, 山崎 晋
国立がんセンター中央病院外科
[目的]浸潤性膵管癌に対する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PpPD)は適応を限定して適用してきた.この適応が妥当なものかどうかを評価するために,膵頭部癌の切除成績を術式ごとに検討した. [対象と方法]1980年から1997年の間に国立がんセンター中央病院で膵頭十二指腸切除術を行った膵頭部癌79例を1989年までの前期PD群(16例),拡大後腹膜郭清と術中照射を加えた1990年以降の後期PD群(54例)およびPpPD群(9例)の3群に分けて背景と治療成績を検討した. [結果]腫瘍の進行度は前期PD群とPpPD群が同様であり,後期PD群にはstage IVの症例が多かった.切除成績はPpPD群,後期PD群,前期PD群の順に良好であった. [結論]腫瘍の進展範囲を考慮して適応を選べばPpPDでも十分な治療成績を得ることができる.
索引用語
pancreatic cancer, pylorus-preserving pancreatoduodenectomy, pancreatic resection
日消外会誌 32: 2423-2426, 1999
別刷請求先
小菅 智男 〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1国立がんセンター中央病院外科
受理年月日
1999年7月28日
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