症例報告
全内臓逆位を伴った肝細胞癌の1切除例
瀬下 達之, 伊藤 雅夫, 門田 一宣, 水上 智夫
ユニチカ中央病院外科
全内臓逆位を伴った肝細胞癌症例を経験した.症例は70歳の男性.近医で血中AFP値の高値を指摘され,当院に精査入院した.胸部単純X線で右胸心を認めた.上腹部CT検査で全内臓逆位を認め,肝外側区域に直径2cm大の腫瘤病変を認めた.腹部血管造影検査では上腸間膜動脈から総肝動脈が分枝する変異を認めた.全内臓逆位を伴った肝細胞癌と診断し,肝部分切除術を行った.全内臓逆位を伴った肝細胞癌に対する切除例の報告は自験例が本邦6例目であり報告した.
索引用語
situs inversus totalis, hepatocellular carcinoma, anomaly of the common hepatic artery
日消外会誌 32: 2573-2576, 1999
別刷請求先
瀬下 達之 〒611-0021 宇治市宇治宇文字24-1 ユニチカ中央病院外科
受理年月日
1999年6月22日
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