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第32巻 第11号 1999年11月 [目次] [全文 ( PDF 101KB)]
症例報告

アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis)による多発性小腸穿孔の1例

谷合 信彦, 恩田 昌彦, 田尻 孝, 古川 清憲, 高崎 秀明, 小川 芳雄, 内藤 善哉

日本医科大学第1外科, 同 第2病理

 症例は40歳の女性.30歳時に気管支喘息を発症.38歳時にアレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis,AGA)と診断され,その後ステロイド維持療法を施行していた.平成10年12月,右下腹部痛を主訴に来院.血液検査所見にて白血球は9,600/mm3,CRPは11.3mg/dlと増加していた.しかし,アレルギーの活動性を示す好酸球は0.0%,IgE 240U/mlと正常であった.腹部所見にて筋性防御を認めたため,消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断にて緊急手術となった.回盲部より口側30,33,60cmの3か所に穿孔を認め,約50cmの小腸切除術施行した.AGAによる小腸穿孔例は本邦において19例が報告されているにすぎない.報告例の大部分が血液検査上活動期に穿孔をきたしている.しかし,本症例は血液検査上活動期とは考えにくい時期に穿孔をきたしており,非常にまれな症例であると思われるため,若干の文献的考察を加えて報告する.

索引用語
allergic granulomatous angiitis, intestinal perforation

日消外会誌 32: 2591-2595, 1999

別刷請求先
谷合 信彦 〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5 日本医科大学第1外科

受理年月日
1999年6月22日

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