症例報告
直腸壁内巨大血腫の1例
上原 圭介, 長谷川 洋, 小木曽 清二, 塩見 正哉, 籾山 正人, 伊神 剛, 太平 周作, 雨宮 剛, 高橋 祐, 宮崎 晋
名古屋第二赤十字病院外科
症例は62歳の女性で,突然の下腹部痛にて当院を受診した.骨盤CT,注腸,大腸内視鏡にて直腸背側に内部不均一な巨大な腫瘤を認めたが,直腸粘膜には異常を認めなかった.Gastrointestinal stromal tumorおよびその腫瘍内出血と診断した.大きさから悪性を疑い腹会陰式直腸切断術を施行した.摘出標本では,腫瘍内には器質化した血腫が充満しており,組織学的にも腫瘍成分は認められなかったため,直腸壁内巨大血腫と診断した,大腸壁内血腫はまれな疾患であり,術前診断は非常に困難で,手術適応,治療法についても確立されたものはない.これらにつき文献的考察を加え報告した.
索引用語
spontaneous intramural hematoma, hematoma of the rectum
日消外会誌 32: 2606-2610, 1999
別刷請求先
上原 圭介 〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第二赤十字病院外科
受理年月日
1999年5月25日
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