症例報告
直腸原発gastrointestinal stromal tumorの5例
高橋 祐, 長谷川 洋, 小木曽 清二, 塩見 正哉, 籾山 正人, 伊神 剛, 太平 周作, 雨宮 剛
名古屋第二赤十字病院外科
Gastrointestinal stromal tumor(GIST)は近年提唱された比較的新しい概念である.われわれは直腸原発GISTの1切除例を経験した.また,過去10年間に当科で経験した直腸平滑筋肉腫4例に対し免疫染色を改めて施行し,すべてGISTであったという結果を得たので若干の文献的考察を加え報告する. 症例1は57歳の女性.腹部膨満,便秘,排尿障害を主訴に受診し,骨盤内腫瘍の診断で入院となった.各種画像診断を施行後,手術を施行した.開腹にて腫瘍は直腸原発と判断し,直腸切断術を施行した.病理学的にはHE染色で紡錘状腫瘍細胞が索状に交錯し増殖していた.各種免疫染色にてGIST,uncommitted type,malignantと診断した. 現在はGISTという概念が浸透し始めている時期であり,今後更なる検討が必要な疾患であると思われた.
索引用語
submucosal tumor of the rectum, gastrointestinal stromal tumor
日消外会誌 32: 2694-2698, 1999
別刷請求先
高橋 祐 〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第二赤十字病院外科
受理年月日
1999年7月28日
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