症例報告
大量出血を来した小腸潰瘍の1治験例
齊藤 直人, 小山 勇, 安西 春幸, 篠塚 望, 鈴木 義隆, 松本 隆, 浅野 博, 尾本 良三
埼玉医科大学第1外科
大量出血を来した非特異的な小腸潰瘍の1例を経験したので報告する.症例は60歳の男性.下血および下腹部痛を主訴に緊急入院した.入院後再度多量の下血を認め,ショックに陥った.この際施行した血管造影では,異常を認めなかったが,99mTc-RBCシンチグラムにて回腸と思われる部位からの出血と判断し,緊急手術を施行した.手術所見では,回盲部より約40cm口側の回腸に小さな硬結として触れる部位を発見し,この部位を楔状切除した.病理組織診断では,Ul-IIの単純性小腸潰瘍と診断された.本症例では大量出血をきたした,Ul-IIの比較的小さな非特異的単純性小腸潰瘍であり,99mTc-RBCシンチグラムが診断に非常に有用であった.
索引用語
massive bleeding, non-specific ulcer of small intestine, 99mTc-RBC scintigraphy
別刷請求先
齊藤 直人 〒350-0495 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38 埼玉医科大学第1外科
受理年月日
1999年9月22日
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