原著
Flow cytometryによる胃癌細胞周期とアポトーシスの検討 ―とくにhypodiploidとp53の関連について―
松本 光正, 宮地 和人
獨協医科大学第1外科(主任教授 砂川正勝)
Flow cytometry(FCM)を用いる方法は,短時間に多くの細胞を測定することが可能であり,multi scanで多因子を一度に測定できる利点がある.胃癌患者57例を対象として,FCMを用い,細胞周期上にてhypodiploidで示されるアポトーシス細胞とsynthesis phase fraction(SPF),アポトーシスを制御する癌抑制遺伝子p53や癌遺伝子bcl-2の発現を比較検討した.癌組織中のhypodiploidは平均2.6%,SPFは,17.3%であり,非癌部に比較して高値であった.組織型分類においての未分化型のhypodiploidおよびSPFは各3.38%,18.88%であり分化型の1.64%,16.24%より高値であった.p53陽性群では,SPFの低下はなく,S期,G2
索引用語
gastric cancer, apoptosis, p53, hypodiploid, syntheesis-phase fraction
別刷請求先
松本 光正 〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林880 獨協医科大学第1外科
受理年月日
1999年9月22日
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