原著
超音波ドプラー検査法と硬さセンサーによる肝線維化の評価
畠山 優一, 佐久間 浩, 柿沼 雄二, 長谷川 有史, 佐藤 尚紀, 小山 善久, 井上 典夫, 土屋 敦雄, 竹之下 誠一, 尾股 定夫*
福島県立医科大学第2外科, 日本大学工学部電気電子工学科*
我々は肝線維化率が硬変肝切除後の肝再生能評価に有用であることを報告した.今回,超音波ドプラによる肝静脈波形解析および硬さセンサーによる肝臓の硬さの定量化が簡便に肝線維化率を推定するのに有用かを検討した.1997年4月から1998年8月までの肝癌9例と他疾患6例の15例を対象とし,術前に血液検査,ICG R15,K ICGの測定を行い,また超音波ドプラにより肝静脈波形を解析してpulsatility index(PI)とresistance index(RI)を得た.術中に硬さセンサーを用いて肝臓の硬さを定量化してtactileを得,肝生検を行い肝線維化率を測定した.これら各データ間の関係を検討するとPI,tactileと肝線維化率との間には有意な関係が認められ,重回帰分析からも肝線維化率の推定に有用との結果を得た.超音波ドプラの肝静脈波知解析によるPIの測定は術前において,硬さセンサーによる肝臓の硬さの定量化は術中において肝線維化率の推定に有用と示唆された.
索引用語
Doppler ultrasonography, hepatic fibrosis, liver cirrhosis, liver resection
別刷請求先
畠山 優一 〒960-1295 福島市光が丘1福島県立医科大学第2外科
受理年月日
1999年9月22日
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