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第33巻 第2号 2000年2月 [目次] [全文 ( PDF 95KB)]
症例報告

23歳時に手術が施行された先天性食道狭窄症の1例

佐藤 真輔, 瀧田 尚仁, 加戸 秀一, 渡野辺 郁雄, 須郷 広之, 三上 陽史, 松本 文夫, 津村 秀憲, 渡部 洋三

越谷市立病院外科

 症例は23歳の女性で,離乳食開始時より食後の嘔吐を認められていた.徐々に嚥下困難が進行し,6歳時に先天性食道狭窄症と診断されたが,合併奇形は認められていない.以後,近医で内視鏡検査,食道造影にて経過観察をし,時にbougieを行っていた.22歳時の検査にて内視鏡ファイバーが通過困難となり,手術目的にて当院外科入院となった.当院での内視鏡検査にて切歯より約30cmと40cmの部位2か所に狭窄が認められた.平成10年11月12日,右開胸開腹食道亜全摘,胸腔内胃管食道吻合,胆摘,幽門形成が施行された.病理組織診断にて2か所の狭窄とも筋性線維性食道狭窄症と診断された.本症例は狭窄部が2か所認められたこと,保存的治療が無効であったことより食道亜全摘術が施行された.成人例の先天性食道狭窄症の報告は少なく,また,2か所に狭窄を有した筋性線維性狭窄は本邦での報告がなくまれな症例である.

索引用語
congenital esophageal stenosis, fibromuscular thickness

日消外会誌 33: 181-185, 2000

別刷請求先
佐藤 真輔 〒343-0023 越谷市東越谷10-47-1 越谷市立病院外科

受理年月日
1999年10月22日

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