症例報告
2回の肝切除術により再切除後5年以上無再発生存中の肝外発育型肝細胞癌の1例
松田 政徳, 藤井 秀樹, 茂垣 雅俊, 松本 由朗
山梨医科大学第1外科
症例は57歳の女性.1992年7月14日,肝外発育型肝細胞癌の診断で肝外側区域切除を施行した.腫瘍は細い茎で肝外側区域と連続し,最大径6.5cmの有茎型腫瘍で,肝内に腫瘤性病変は認めなかった.腫瘍は病理組織学的に中~低分化型肝細胞癌で,茎の部分で腫瘍の脈管侵襲を認めた.術後18か月目,内側区域に径1.5cmの腫瘤を認め,再切除術を実施した.再発腫瘍は組織学的に初回切除腫瘍の組織型に類似した中分化肝細胞癌であり,肝内転移再発と考えた.その後は5年以上無再発で生存中である.肝外発育型肝細胞癌は有茎型であっても肝内転移を考慮した系統的肝切除術を選択する必要があることを示唆する症例である.
索引用語
repeat hepatic resection, extrahepatic-growing hepatocellular carcinoma, intrahepatic metastasis
別刷請求先
松田 政徳 〒409-3898 山梨県中巨摩郡玉穂町下河東1110 山梨医科大学第1外科
受理年月日
1999年9月22日
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