腹腔鏡下胆襄摘出術における経胆襄管的胆管内超音波検査の有用性

篠塚　望, 俵　英之, 上笹　直, 美濃島　卓哉, 渡辺　拓自, 松本　隆, 安西　春幸, 小山　勇

埼玉医科大学第1外科

　腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行された11症例に対し，術中胆道造影の後，経胆嚢管的に細径プローブによる胆管内超音波検査（intraductal ultrasonography；以下，IDUS）を施行し，総胆管結石の有無を検索した．プローブは1例を除き経胆嚢管的に容易に挿入可能であった．6例は術前内視鏡的乳頭括約筋切開術（endoscopic sphincterotomy；以下，EST）が施行されたが，2例において術中IDUSにて遺残結石を認めた．うち1例では術中造影では明らかな結石を認めず，IDUSでのみ確認でき，他の1例は造影では総胆管結石は1個と診断されたがIDUSでは結石を2個認めた．腹腔鏡下胆嚢摘出術における経胆嚢管的IDUSは，術中造影では確認が困難な小結石やEST後の遺残結石の診断に有用と思われ，腹腔鏡下手術においても応用できると考える．

索引用語
intraductal ultrasonography, common bile duct stone, laparoscopic cholecystectomy, intraoperative cholangiography, endoscopic sphincterotomy

別刷請求先
篠塚　望　〒350-0495　埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38　埼玉医科大学第1外科

受理年月日
1999年11月30日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です