原著
大腸癌におけるMMP-7, type IV collagenの免疫組織発現からみた肝転移予測
小川 匡市, 池内 健二, 渡部 通章, 金子 靖, 衛藤 謙, 藤川 亨, 高尾 良彦, 穴澤 貞夫, 山崎 洋次
東京慈恵会医科大学外科
大腸癌症例中,同時性肝転移群(S群)36例,異時性肝転移群(M群)30例,対照群(C群)として病理組織学的に有意差を認めず術後 5 年間肝転移再発を認めない37例を対象とし,MMP-7,type IV collagenを用い免疫組織学的に3群間の比較検討を施行した.MMP-7の発現率は,最深部位でS群26/36(72%),M群14/30(47%),C群17/37(51%)と有意差を認めなかったが,リンパ管内発現率では,S群32/36(89%),M群19/30(63%),C群12/37(37%),静脈管内でS群28/32(87%),M群13/19(69%),C群6/37(18%)と肝転移群と対照群間に有意差を認めた.type IV collagenの発現減弱率では,S群18/36(56%),M群10/19(53%),C群14/37(38%)と有意差を認めなかった.したがって,リンパ管内のMMP-7発現率が臨床的に肝転移予測に有用なパラメーターであることが示唆された.
索引用語
colorectal cancer, liver metastasis, immunohistochemistry, MMP-7, type IV collagen
別刷請求先
小川 匡市 〒105-8461 東京都港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学外科学講座第1
受理年月日
1999年10月26日
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