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第33巻 第3号 2000年3月 [目次] [全文 ( PDF 84KB)]
症例報告

腹腔鏡下胃部分切除術により切除された胃glomus腫瘍の1例

川野 勧, 村井 隆三, 原田 徹, 山崎 洋次, 青木 照明

東京慈恵会医科大学外科, 同 病院病理部

 症例は62歳の男性.検診の上部消化管造影検査の際胃の異常陰影を指摘され当院外来を受診した.身体所見,血液検査では異常所見は認められなかった.上部消化管造影検査では幽門前庭部小彎に2.5cm大の立ち上がりなだらかで表面平滑な隆起性病変を認め,超音波内視鏡検査(EUS)では筋層内の均一な低エコーの腫瘍と描出され,胃平滑筋腫の疑いと診断された.生検ではGroup 1であった.確定診断と治療を兼ね腹腔鏡下胃部分切除術を行った.病理組織学的には腫瘍細胞は固有筋層内に存在し,卵円形,均一で広い胞体を有し胃glomus腫瘍と診断した.
 胃glomus腫瘍は1962年に本邦で初めて報告されて以来69例しか報告例のないまれな疾患である.腹腔鏡下に切除した報告例は過去1例だけであるが,良性腫瘍である胃glomus腫瘍に対する治療法としては腹腔鏡下胃部分切除が妥当であると考える.

索引用語
glomus tumor, gastric SMT, laparoscopic surgery

日消外会誌 33: 314-317, 2000

別刷請求先
川野 勧 〒105-8461 東京都港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学外科学講座第1

受理年月日
1999年10月26日

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