症例報告
イレウスで発症した続発性消化管アミロイドーシスの1例
廣瀬 昌博1)2), 難波 康男2), 村上 努士2), 山本 吉浩2), 井上 禎三2), 漆畑 貴行2), 藤原 恒弘2)
町立野村病院外科1), 興生総合病院外科2)
消化管アミロイドーシスは,消化管にアミロイドが沈着し,腹痛,嘔吐・下痢,さらには,手術の必要なイレウス,穿孔,消化管出血などを惹起する.その多くは,慢性関節リウマチや腎不全などの慢性消耗性疾患に続発する. 今回,われわれは62歳の女性の慢性関節リウマチに続発した消化管アミロイドーシスの急性経過例を経験し,その診断と治療に難渋したが,臨床経過や腹部単純X線写真における大量ガス像などから,経験と知識があれば,その診断は比較的容易で,速やかな治療が望まれた症例であった. 慢性関節リウマチや長期透析患者などの急性腹症診療の際には,手術の適否も含めて消化管アミロイドーシスを念頭に置くことが必要であり,また,手術を要しない場合,時機を逸することなく速やかに専門医に委ねる決断も必要であることを忘れてはならない.
索引用語
acute abdomen, secondary gastrointestinal amyloidosis, rheumatoid arthritis
別刷請求先
廣瀬 昌博 〒723-8686 三原市皆実3-3-28 興生総合病院外科
受理年月日
1999年10月26日
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