臨床経験
膵胃吻合術後の膵外分泌機能の評価におけるセクレチン負荷後 Dynamic MRCPの有用性について
大東 誠司, 西尾 剛毅
聖路加国際病院外科
膵胃吻合術後の膵外分泌機能の評価におけるセクレチン負荷後Dynamic MR cholangiopancreatography(以下,MRCP)の有用性について検討した.検討症例は2例で,いずれも幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行い嵌入法による膵胃吻合で再建した.腹部CTでは残膵に変化はなく,内視鏡では膵管の開存は確定できなかった.Dynamic MRCPではセクレチン負荷により膵液の分泌が明瞭に描出され,画像をトレースすることで算出したMean pixel value,Total intensity valueを用いて膵液量の推移を客観的に検討することができた.膵胃吻合は手技が容易で安全な術式ではあるが,膵管閉塞に伴う膵機能障害の問題が指摘されている.しかし,従来の方法では膵外分泌機能の適切な評価は困難であったが,Dynamic MRCPでは画像上での膵液の描出に加えintensity valueを用いてより客観的な評価が可能であり,膵切除後の膵外分泌機能の評価において極めて有用な方法と考える.
索引用語
dynamic MRCP, secretin, pancreatogastrostomy
別刷請求先
大東 誠司 〒104-8560 東京都中央区明石町9-1 聖路加国際病院外科
受理年月日
1999年10月26日
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