原著
大腸癌における組織学的多様性の臨床的意義に関する研究
平間 公昭, 森田 隆幸, 今 充*
弘前大学医学部外科学第2講座, 国民健康保険葛川診療所*
大腸癌の組織学的多様性(同一腫瘍内に複数の組織型が混在する所見)に着目して,その臨床的意義を検討し,urokinase-type plasminogen activator(uPA)との関連性を調査した.75歳以下,mp以深,根治度A,Bの大腸癌を対象として,臨床病理学的諸因子との関係,無再発5年生存率,再発形式に与える影響について検討を加え,当科手術症例ではuPAの免疫染色を施行した.組織学的多様性陽性例は無再発5年生存率が不良であり,再発形式では結腸癌で局所再発との関連が深かった.uPAと組織学的多様性との有意な相関は認められなかった.大腸癌において,組織学的多様性は,生物学的悪性度を反映し予後を規定する重要な因子と思われた.
索引用語
colorectal cancer, histological heterogeneity, urokinase-type plasminogen acticator (uPA), prognosis detecting factor
別刷請求先
平間 公昭 〒036-8562 弘前市大字在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
2000年1月26日
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