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第33巻 第4号 2000年4月 [目次] [全文 ( PDF 107KB)]
症例報告

腹腔鏡下手術にて根治しえた胃結腸瘻の1例

櫻井 孝志, 河地 茂行, 山本 貴章, 井上 聡, 川原 英之

川崎市立井田病院外科

 胃結腸瘻はまれな疾患であるが,我々は60歳の男性に対し腹腔鏡下に根治術を施行した.これは我々が検索したかぎり初例報告である.術式は腹腔鏡下瘻孔切離,瘻孔大網充填術および結腸瘻孔単純器械縫合閉鎖術とした.手術時間は4時間32分,術中出血量は少量であった.術中瘻孔部の確認には消化管内腔からの内視鏡ライトによるガイドが有用であった.瘻孔の閉鎖方法は,手技が容易なこと,術後狭窄を生じにくいこと,再発防止に抗潰瘍剤などの投与を必要としないことなどから大網充填術が有効であると思われた.術後経過は良好であり,現在まで抗潰瘍剤などの投与なしにて再発を認めていない.術前検査にて局所の炎症所見に乏しい場合には,まず腹腔鏡手術を行ってみるべきと思われた.

索引用語
gastrocolic fistula, laparoscopic surgery, omental implantation

日消外会誌 33: 467-471, 2000

別刷請求先
櫻井 孝志 〒211-0035 川崎市中原区井田2-27-1 川崎市立井田病院外科

受理年月日
1999年12月22日

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