臨床経験
幽門側胃切除術に対するクリティカル・パスの導入経験
野末 睦, 丸山 常彦, 今村 史人, 福江 眞隆, 神山 幸一
筑波記念病院外科
当科では医療の見直し,標準化を目指してクリティカル・パス(以下,パスと略記)導入を開始し,1998年10月より幽門側胃切除術のパスを作成,導入した.その影響をみるために,1998年度幽門側胃切除術全27例のうちパス導入前(4月~9月)の17例とパス導入後の10例とを対象に,入院日数,保険請求点数の比較を行った.パスの概要は,外来手術前検査.手術2日前入院.術後1日目IVH1号開始.6日目流動食開始.7日目抜糸,術後透視.16日目退院.ほぼパス通りの入院経過をとった症例は約 7 割であった.入院日数ではパス導入前が平均36日,導入後27.3日,中央値32日と25日で入院日数の短縮が達せられた.保険請求点数ではパス導入前が平均165,800点,パス導入後では133,900点で,有意差があった.さらに,入院日数補正をすると,パス施行後では医療内容の統一化による請求点数のまとまりがみられた.
索引用語
critical path, distal gastrectomy, health insurance
別刷請求先
野末 睦 〒300-2622 つくば市要1187-299 筑波記念病院
受理年月日
1999年12月22日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|