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第33巻 第4号 2000年4月 [目次] [全文 ( PDF 55KB)]
特集

肝癌における転移能と免疫回避機構

久永 倫聖, 中島 祥介, 長尾 美津男, 金廣 裕道, 青松 幸雄, 高 済峯, 山田 高嗣, 中野 博重

奈良県立医科大学第1外科

 切除肝癌47例を対象としFas,FasLの発現,血中sFas,sFasL濃度を検討し,転移・予後との関連を評価した.免疫染色によるFas,FasLの陽性例は各16,19例であり,両者の間には逆相関が認められた.浸潤リンパ球の多くはFas,FasLを発現していた.Fas陽性例で有意にアポトーシスが多く,Fas陽性例は陰性例に比べ有意に再発率が低かった.またFasL陽性例では再発率が高い傾向にあった.多変量解析ではFasは独立した再発予測因子であった.血中sFasは健康人<肝硬変患者<肝癌患者であり,sFasLは健康人=肝硬変患者>肝癌患者であったが,肝癌におけるFas,FasL発現とは相関を認めなかった.以上より,肝癌はFas発現を減弱させFasL陽性浸潤リンパ球より逃れることで免疫機構から回避し,転移能を獲得するものと考えられた.また,sFasは肝硬変ですでに上昇しており,肝癌の発生にも関与している可能性が示唆された.

索引用語
Hepatocellular carcinoma, Fas, Fas ligand (FasL)

日消外会誌 33: 537-542, 2000

別刷請求先
久永 倫聖 〒634-8522 橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1外科

受理年月日
1999年12月22日

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