症例報告
子宮頸癌のリンパ行性大腸転移の1例
谷口 博一, 関本 貢嗣, 冨田 尚裕, 大植 雅之, 玉木 康博, 先田 功, 池永 雅一, 三宅 泰裕, 大岡 勝, 門田 守人
大阪大学医学部第2外科
52歳の女性.平成5年,子宮頸癌に対し広範子宮全摘術および術前化学療法,術後放射線療法を受けた.平成9年6月,腹痛,嘔吐が出現し,注腸造影,大腸内視鏡検査を施行した.S状結腸に表面平滑な全周性狭窄を認めるが明らかな腫瘍性病変は確認できず,放射線大腸炎によるS状結腸狭窄との診断の下,腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.術後の病理組織検査の結果,子宮頸癌のリンパ行性大腸転移との診断を得た.大腸への癌転移はほとんどが腹膜播種によるものであり,リンパ行性大腸転移の報告はまれである.また,その多くは肺癌の血行性転移であった.今回,我々は子宮頸癌のリンパ行性大腸転移症例を経験したので報告する.
索引用語
vasculogenous metastasis, metastatic colon cancer, uterine cancer
別刷請求先
谷口 博一 〒565-0871 吹田市山田丘2-2 大阪大学医学部第2外科
受理年月日
2000年1月26日
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