症例報告
S状結腸憩室炎にcolonic muco-submucosal elongated polypを合併した1例
中山 善文, 門脇 康二, 日暮 愛一郎, 永田 直幹, 伊藤 英明
産業医科大学第1外科
今回,我々は狭窄によって手術適応になったS状結腸憩室炎に3個の,いわゆるcolonic muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)を合併した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 症例は74歳の男性.左下腹部腫瘤と同部の鈍痛を主訴に他院受診.大腸内視鏡検査と注腸造影で,S状結腸に狭窄と多発憩室を指摘され,平成10年2月4日,当科紹介受診となった.超音波検査とCTで左下腹部に約8cm径の内部不均一な腫瘤を認め,狭窄をともなうS状結腸憩室炎の術前診断で2月19日,S状結腸切除術を施行した.切除標本で狭窄部口側に2.0×2.0×4.5cmの有茎性ポリープと肛門側に1.0×1.0×2.0cmと1.0×1.0×1.5cmの有茎性ポリープを認めた.これらのポリープは,病理組織検査の結果CMSEPであった.同一症例に複数個のCMSEPが存在した報告は初めてである.
索引用語
colonic muco-submucosal elongated polyp, diverticular disease, colon
別刷請求先
中山 善文 〒807-8555 北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1 産業医科大学第1外科
受理年月日
2000年1月26日
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