術前3次元画像診断が術式決定に有用であった固有肝動脈瘤の1例

飯室　勇二, 森本　泰介, 近藤　正人, 西原　利治^＊, 山本　成尚, 山本　雄造, 猪飼伊　和夫, 嶌原　康行, 山岡　義生

京都大学医学研究科消化器外科, ^＊高知医科大学第1内科

　固有肝動脈瘤に対して，術前3次元画像診断を施行し治療方針および術式決定に有用であった1例を経験した．症例は65歳の男性．肝嚢胞の経過観察中に腹部CT検査にて固有肝動脈瘤を偶然発見された．血管造影を施行したが，動脈瘤と左右肝動脈の分岐形態が明確に描出されず，3次元CT検査および3次元CT内視鏡画像（cruising eye view）により血管分岐形態，さらには動脈瘤内部の形態が容易に把握でき，安全に固有肝動脈瘤切除および動脈再建を施行しえた．本症例のような腹腔内臓器動脈瘤症例では，3次元CT検査が術前診断のみならず術式決定にも有用であり，積極的に施行されるべきであると考える．

索引用語
hepatic artery aneurysm, three-dimensional CT, cruising eye view

別刷請求先
飯室　勇二　〒606-8507　京都市左京区聖護院川原町54　京都大学医学研究科消化器外科

受理年月日
2000年2月23日

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