原著
Navigatorによる大腸癌に対する術中腹腔鏡下リンパ節転移有無の判定
宮島 伸宜, 高橋 克行, 山川 達郎
帝京大学医学部附属溝口病院外科
大腸癌手術症例に対して67Ga citrateとNavigatorを用いたリンパ節転移判定を試みた.まず,開腹下に行った大腸癌切除症例10例において,実際のリンパ節の測定値とバックグラウンドの測定値の比(測定比)が2.0をcut off値として転移の有無を検討したところ,陽性リンパ節は100%,陰性リンパ節は97.3%の精度で判定可能であった.切除標本からの結果を基に腹腔鏡下に術中リンパ節転移の有無を検索した10例においても,全例で転移有無の判定が可能であった.以上の結果より,67Ga citrateとNavigatorを用いたリンパ節転移判定は非常に有効な手段であり,ことに触知感覚のない腹腔鏡下手術においては手術術式を決定する上で短時間に,簡便に施行することのできる優れた方法と考えられた.
索引用語
lymph node navigator, colorectal carcinoma, lymph node metastasis, laparoscopic surgery,67Ga citrate
別刷請求先
宮島 伸宜 〒213-8507 川崎市高津区溝口3-8-3 帝京大学医学部附属溝口病院外科
受理年月日
2000年3月22日
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