症例報告
腫瘍径12mmでリンパ節転移を伴った直腸カルチノイドの1例
伊神 剛, 長谷川 洋, 小木曽 清二, 塩見 正哉, 籾山 正人, 太平 周作, 高橋 祐, 森 俊治, 上原 圭介, 宮崎 晋
名古屋第二赤十字病院外科
症例は26歳の女性で,腹痛を契機に精査でRbに発生した直腸カルチノイドと診断した.超音波内視鏡で,深達度smと診断し,周囲リンパ節の腫脹を1個認めた.患者の希望により,経仙骨的腫瘍摘出術を施行した.摘出した標本は腫瘍径12×12mm,壁深達度smの直腸カルチノイドであった.リンパ節は3個中1個に転移を認めた.追加リンパ節郭清が必要と考えたが,患者の希望により追加切除は施行しなかった.術後経過は良好で,結果的に術後7年間無再発生存中である. 本邦における腫瘍径20mm未満かつ筋層非浸潤の直腸カルチノイドのリンパ節転移例は,自検例を含めて12例ときわめてまれで,若干の文献的考察を含めて報告する.
索引用語
rectal carcinoid tumor, lymph node metastasis
別刷請求先
伊神 剛 〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9 名古屋第二赤十字病院外科
受理年月日
2000年2月23日
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